急にメニューが増えたラーメン屋は何故つぶれるのか


ラーメン

タイトル書いてて「さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 」っていう本のこと思い出しました。

実際つぶれました

自分の住んでいる街の最寄り駅の周辺環境は、同沿線の駅よりも寂れていまして、圧倒的に食べ物屋が少ない。
最近それでも新規店がいくつもできてきて、発展しつつあるなと思うのですが、それでも少ない方です。

そんな駅近くに1軒のラーメン屋がありました。
食べ物屋があまりなく、しかも深夜2時まで営業しているので、終電近くになってしまった金曜日などはその店で食べるしか選択肢が無かったので、それなりに貴重な存在のラーメン屋で、何度か利用させてもらっていました。
個人経営で、豚骨ベースの醤油、味噌ラーメンが主力商品でした。
あと、つけめんもやってました。
客の入りもそんなに悪くなかったように思います。

しかし、周りに、ラーメン花月、個人系のこだわりラーメン屋ができたことで事態は一変しました。

おそらく、客が明らかに取られてしまったんでしょうね。

店は花月がオープンしてから半年ほどでつぶれてしまいました。
花月も2時頃まで営業していたので、客が奪われたと思われます。
個人系のこだわりラーメン屋は10時過ぎには閉まってしまいます。

その半年間の間に、つぶれてしまったラーメン屋は急激にメニューが増えました。
ラーメンの種類も増えましたし、サイドメニューの数もいきなり増えました。
びっくりするぐらい。
そして、麺お代わり無料になり、店がつぶれました。

そのとき、よくネットに流れている、急にメニューが増えるラーメン屋は危険信号っていうネタを思い出しました。
あー、この噂は本当だったんだって。

何故なのか

その店がつぶれてしまったときには、あーつぶれてしまったなー。
ぐらいにしか思っていませんでした。

しかし、この前、会社の食堂をみて、「あ、もしかしたら仮説が立てられるかもしれない」って思いました。
会社の食堂にはラーメンコーナーがあり、毎日違うラーメンが提供されています。毎日違うと言っても、醤油・味噌・塩を順番に出すとかそういうルーチンではなく、創意工夫をこらしたものを提供してくれるとても良心的な食堂です。
しかし、いつも思うんですが、手際が悪い。
会社の食堂なのでどうしたって12時~13時に人が集中してしまいます。
その中で激戦を切り抜けるためなのか、器にスープが注がれた状態で放置されていたり、同時に麺を茹でるためか、同時に麺がゆであがってしまい、それをスープの中に入った器に入れたまでは良いけれど、具の盛りつけが順番待ち状態になり、スープと麺だけの器が放置されたり、いつも見ているこっちがハラハラする状態。
だって、「ロット」の最後の麺なんてどれくらいスープに浸かっているのか分からないんですよ、たまにダルダルの麺になっていたりします。
まぁそれでも食堂なので仕方ないと思ってますが…

そんなラーメンを食べながら思ったんです、あーきっとメニューが何種類もあるのがいけないんだって。
もし、ラーメンのレパートリーと具のレパートリーを固定化させれば、効率的なラーメン作成の導線がはっきりするはずだし、作り手もだんだん効率的に動けるようになるはずって。

そして、まさしくこんな感じのことが、メニューが増えた末期のラーメン屋にも起きているのではないかって。

食堂なら誰も文句を言いませんが、こんな状態でラーメン屋でラーメンが出てきたら、クレームになるか、2度と食べてもらえないかどちらかでしょう。

そこで、こんな仮説を立ててみました。

  • 経営が厳しくなる
  • メニューを増やして客を呼び込もうとする
  • その結果オペレーションが上手くいかなくなり、味が落ちる
  • メニューの開発費すら賄えなくなり廃業へ…

どうなんでしょうね。すべてのラーメン屋でこのような現象が起きているとは思わないですが、こういうラーメン屋も結構多かったんじゃないでしょうか。

ちなみに、上で紹介したラーメン屋は、内装が和風なのか何なのかいまいちはっきりせず、昔の古いタンスっぽいものの上に、スターウォーズのフィギュアだったり、ワンピースのフィギュアだったりが並んでいたり、インテリアからして謎でした。しかも、テーブルを拭く台拭きがまさしく雑巾臭を放っているときがあり、それで台を拭くので台自体から雑巾臭がしてしまうなど、致命的な部分もありました。
それでも存続していたのは、周辺環境からして「ニッチ」だったからに他なりません。
だから、周りに普通のラーメン屋が2軒できただけで廃業に追い込まれたわけですが、最後のメニューが凄い勢いで登場した時にはびっくりしました。
ヤバイって思いました。

んー、つぶれる店って、そもそも基本的な部分がぐらついている危ない店って訳で、それが周辺事情の変化によって露呈してどうしようもできなくなるっていうことなんでしょうかね。

ちなみに例外もあります

メニューが急激に増えてつぶれる店もあれば、つぶれない店も当然あります。
こちらは名前を出してもいいかな。
吉祥寺にある「麺僧」です。
ここは、ネットではあまり良い感じの書き方されていないんですが、自分は好きです。

背脂浮いている系の醤油ラーメンなんですが、ベースがしっかりしているので、とてもあっさりしていて美味しいです。

吉祥寺にあるのですが、ちょっと人通りから離れた位置にあるからなのか(駅からは近いんだけれど…)そんなにお客もいなくて、いつも座れるのでちょくちょく行ってます。
味も好きです。
特にメンマが本当に美味しい。
妙に薬臭いメンマってあるんですが、ここのはきちんと味が乗ってて、薬臭くなくて美味しいです。

この店も、一時期急にメニューがたくさん増えた時期があったんですが、それから3年近く経過しても存続しているので、メニューが増える=つぶれるってわけでもなさそうです。

だけれど、この店で新しいメニューのラーメン頼んでいる人見たことないんですよね…

それって、基本のラーメンがしっかりしているっていうことの証拠でもあると思うんですが、売れないのにメニューに並び続けているっていう謎は残ります。

麺僧って、吉祥寺に2店舗、下北沢にも1店舗あるので、どこかの店が開発したメニューをおまけ程度に置いているのかもしれないですね。
それにしても、ロストに回って勿体ないことにはなっていないのかが不思議…

ちなみに麺僧は数年前にあった小麦の値上がりの時でもラーメンの値段を上げなかった良心的な感じのお店です。
周りのラーメン屋が一斉に値上げに走りましたが、品質変えずに値段も変えなかったので感心したのを覚えてます。

※上記の写真は麺僧のラーメンではないです。

あと、自分はラーメン屋を経営したことないので、上記のようなことが本当にラーメン屋で起こっているのかは分かりません…あくまで勝手な妄想です…あしからず。