怒鳴って解決するならこれほど簡単なことはない


静かな怒り

例の話の続きみたいなもんです

この前「「正しい叱り方って何だろう?」って思った」にて、隣の部署の状況を書いたのですが、またヘンな事態になっていたので、思ったことをつらつらと。

隠し事?

それは、その部署の朝礼後の出来事、この前怒鳴っていたちょっと偉い人とは違う偉い人の周りに、人が集まり出しました。
軽いミーティングみたいなのはしょっちゅう開かれているので、その一環かなと思ったのですが、いきなり偉い人が怒鳴り始めました。
どうやら、この部署、怒鳴れば何でも大丈夫っていう、誤った考えに支配されているようです…

怒鳴っているので、お叱りの内容が筒抜けです。
どうやら、誰かがミスか何かを隠していたようで、ミスが起きたら直ちに報告しろみたいなことで怒鳴り散らしています。
怒鳴る気持ちも分からないわけではないです、その部署に損害出たら責任者の責任ですし、お怒りの理由ももっともだと思うんですよね。

でも、いくら怒鳴ったところで、不利な情報隠しは絶対になくならないです。

だって、あんなに怒鳴ったら、怒鳴られた人の心理は「ミスる=怒鳴られる」と堅く結びついて、怒鳴られたくない気持ちが働いて結局ミスや不利な情報を隠蔽する方にインセンティブを感じるようになるから。

冷静に考えれば、ミス報告をすぐにして怒鳴られた方が、隠蔽してから発覚して大事になるよりよっぽど本人の利益になるのですが、あそこまで怒鳴られるとそんな簡単な判断もできなくなり、とにかく隠蔽してしまおうという咄嗟の判断が出てくるようになります。

だから怒鳴ったところで何にも解決しないんですよね。
解決しているのは、怒鳴っている人の気持ちだけ、気持ちよさだけです。

しかも極めつけは「俺は隠し事をしている奴が大嫌いなんだよ!!」って叫んだこと。
別にこの場で、管理者の好き嫌いを声高らかに宣言する必要って全くないと思うんですよね。
てか、ない。
管理者が何が好きか嫌いかに関わらず、部下は大切な報告をするときはするし、しないときはしない。
全く見当違いな意見を表明して、ある種の行動を促しているわけです。

これじゃぁ、重要な報告はなされないし、いつまで経っても怒鳴るということから開放されないでしょう。
てか、悪循環。

こんなことで怒鳴っている時点で自分たちの部署は問題を解決する能力のない部署です、ってでっかい声で宣言しているようなものですよね。

正しい言い方って何だろう

こういうとき、管理者がとれる正しい行動って、理性的になって、冷静に、
「情報を隠されると、こんな損害が生じる」
「それは、君たちの不利益になる」
「しかし、情報がきちんと早く上がってくれば、不利なものであろうとも被害を最小限に抑えられるような行動がとれるかもしれない」
「もちろん、勇気をもって報告してくれれば叱らない」
ということを部下に伝えきれるかだと思うんですよね。

この部署、管理者がみんな怒鳴っているので、きっとこの部署の特色なんでしょうけれど、こんな恥ずかしいことを堂々としている部署って初めて見た…

ちなみにうちの部署でミスが起きると、徹底的に状況を調べ上げて一番上の責任者に報告書提出するのですが、別に怒鳴られたりしないし、管理者もミスした人を怒鳴ったりしているところは見たことないです。
事実を丹念に調べ上げて、ミスの原因を突き止めて、それに手間とコストなどを勘案して合理的な対策するだけです…怒鳴る方が簡単だけれど、怒鳴ってミスが減ったり、きちんとした対策がとれるようになるかっていったら、ならないんですよね。

最近は、怒鳴り声が聞こえると、うんざりした気分と、もうコントかと思う半分愉快な気分がブレンドされてアンビバレンツな気持ちになります。