ワタミの社長さんが選挙に出ることについて思うこと

ワタミの社長さんが選挙にでることについて思うことがあるので、書きます。
(写真は本文とは関係ありません。トップに写真がないと我慢ならないタチなんです…すみません)

政治とは調整のことである

この言葉は何処の誰かが、政治について書いていた言葉です。
ワタミの社長さんが国政選挙に出ると聞いて、思い出しました。
この言葉自体は、民主党が政権をとったのにも関わらず思うような成果が上がらなかったことを総括して書かれた言葉ですが、なるほどと思いました。
今までの自民党の政治は、いわば利権者の調整をいかに上手く行うかで成り立っていて、ちょっと悪く言えば富の再分配をどうするかを上手く調整することによって成り立っていた政権であったと看破し、民主党は利権者の富の再分配をいかに調整するかではなく、簡単に言ってしまえば、民主党の正義によってそれまでまかり通っていた既得権益の外側から、正義を為そうとして、いろいろと失敗してしまったと語り、つまりは、政治はいろいろな利権者の利益をどう調整し、納得してもらうかにつきるというのです。
まぁ、この意見は政治のもつ1つの側面に過ぎないと思うのではあるのですが、なるほどと思いました。
なんだかんだいって、この日本では、いかに既得権益の内側で安住するのかと言うことに心血が注がれてしまい、それを外側からいちゃもんつける、整理する、仕分けする人たちは敵にしか見えないという状態なんだと思います。
もちろん、これは、今の現状をネガティブに捕らえすぎなのかもしれないけれど。
でも、実際に民主党は彼らの考える正義と倫理と理論によっていろんなことを一刀両断にしようとしてきたわけですが、それは失敗してしまいました。
「2番じゃダメなんですか?」の言葉で有名になった事業仕分けもそうで、まぁ、究極的に考えて、それが理にかなっていれば2番でもダメじゃないんですが、上手く調整することなくいきなり補助金打ち切りまーすみたいなことになると、やっぱ反発されるのが落ちで、そこは正義と理論じゃうまくいかんわけです。

で、ワタミの社長さん

話がだいぶそれましたが、ワタミの社長さんってどちらかというと、自分の中では、ワンマンで自分が思ったことは正しいと考えて突き進む、といったタイプだと思っています。実務能力はあるし情熱的なタイプなので何となくやってくれそうな感じです。
しかし、今、ブラック企業とあちこちから言われてしまってどうにも分が悪い感じですが、それ以上に疑問に思うのが、果たして彼が政治に向いているのか、ということです。(ブラックでもいいじゃんと言っているわけではないです。ちょっと、ブラックかどうかの問題は今回は横に置いておきます)
仮に選挙に当選すれば、いかに社長といえども、新人議員1年生として扱われ、そんなに発言力が無い立場で職務を遂行しなくてはいけないはずで、いきなり理念を追求できるとはとうてい思えず、そんな職務環境をワタミの社長が受け入れるとはとうてい思えないところに、ワタミの社長さんが国政選挙に出ることへの不安があるわけです。
おそらく、何らかの根回しやら調整無しに、自分の正義や理念を振りかざしていろいろと勝手に動こうとしてしまい、党から孤立するんではないだろうかと思うわけです。(もしかしたら、調整能力に超長けていて、根回しも素晴らしいとかいうこともアルかもしれないですが…)
プチ民主党状態になるのではないかと。
で、自分の思う理想と、現実の政治の世界における不効率さに嫌気がさしてとっとと政治家を辞めてしまうんじゃないんだろうか、そんな気がします。
というのも、昔、田嶋陽子さんが社会民主党の議員として当選したのにもかかわらず、短期間に辞めてしまったのと同じような状態になるのではないかと思うわけです。

結局

結局の所、最終的に政治というのは理念の実現にあるわけですが、それには長い長い調整が必要なわけでして、それがワタミの社長さんにできるのか、まだやってみないと何とも言えない訳ですが、どうにも怪しいと感じてしまうわけです。はい。
案外、政治家の仕事は「ぬるい!」とか言って、「国民にために24時間365日働け」と政治家の今までのあり方を根底から覆してしまうかも。なんてことは、あるわけないか、そんなことした途端既得権益側から総攻撃されてあえなく敗退ということになると思われますが…
なんか、一部の自民党の議員からは、ワタミの社長さんを推すのはリスキーだという判断も出てきたりしていて、状況は案外流動的なのかもしれないですね。

ー追記ー
すみません。
今はワタミの社長さんって別の方なんですね…
元社長さんの方ですね。