運さえも自然淘汰の条件に入ってしまうという悲劇


ドーナッツ

JR浅草橋を降りたところにある宝くじ売り場

最近仕事の関係で、JR浅草橋駅を使います。
JR浅草橋駅を降りた所、すぐに、宝くじ販売所が3つ並んでいます。

販売所といっても凄い建物とかでは無く、掘っ立て小屋みたいな、可動式の販売所みたいな奴です。
そこに、初老の男女が鎮座ましましておりまして、宝くじを販売しているわけです。

そして、販売所の上には「幸福を呼ぶ○○じぃ」とか「幸福を呼ぶ○○ちゃん」とか書かれている訳ですよ。

んで、その3つあるうちの販売所、いっつもある販売所だけ人がいません…
他の2つはいつも人が行列を作っているのに…です。

最初は、それをみて、「人気がハッキリしているんだなぁ」と思ってみていたのですが、明らかに不合理ですわな。

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宝くじの当選確率はどの販売所でも同じ

当然の話ですが、宝くじの当選確率はどの販売所でも同じなはずです。
事前に当たり番号が決まっていて、その当たっているくじが管理されていて、どこで販売するかという計画が立てられているとしたら当選に偏りが出るわけですが、そういったことが行われているっていう話は聞かないので、当選確率はどの販売所でも同じなはずです。

ただ、当たり前の話ですが、たくさん売れる販売所では、それなりに当選する可能性は高くなります。
すべての宝くじで、ある等の当選確率が同じなら、たくさん売れた方が、母数が増えるので、そこから出てくる当選件数も増えるはずです。

だから、どの販売所で購入しても、当選する可能性は同じなはずで、「期待値」も変わらない。
なのに、売り場によって、人気のある売り場とそうでない売り場が如実に出てしまう。

これは悲劇ですよ。

おそらくなんですが、人気のある販売所って、以前に1等が出たんでしょうね、でその噂を聞きつけた人がその販売所に買いに来る、そうすれば販売数は増えるので、母数が増えて、また当選が出る。
すると、あの販売所は凄いということになっての、正のフィードバックが起きますわな。
それはいいんですよ。

ただ、悲しいのは、人気の無い販売所。
人気の無い販売所は、売れないとみるや、早々に店じまいをしたり、朝は遅く販売を開始したりしています。
人気のあるところは、いつ行っても営業しているし、行列ができています。

でも、人気のあるなしを決定するのは宝くじに当たるという「運」のみな訳です。
どんなに営業トークを頑張っても、販売所の周りの清掃に力を入れても、いつもにこにこで座っていても、当たらない販売所は見向きもされないのです。
つまり、努力が全く通用しない、運だけの世界。
それでも座っている販売員の方を見ると、なんだか悲しい気持ちになりました…

自分は宝くじを買わない人なので、あの販売員の方の力になってあげることはできないのですが…

やっぱり人間は不合理

先ほども書いたように、宝くじの当選確率はどの販売所で買おうと、裏でコントロールされていない限りは、同じになるはずです。
なのに、人は、行列にわざわざ並んで同じ確率のくじを買い求めてしまうわけです。
行列に並び時間を無駄にし、同じ当選確率のくじを買っていく。

隣の開いている売り場で買えば待ち時間0で同じ当選確率の宝くじが買えるというのに…

人間って、やっぱり不合理な生き物だなぁ~と感じると共に、運だけに左右される商売(売り手の方で)っていうのもかなり珍しいんじゃ無いかなぁって思った次第です。

だって、努力の余地が全くないんだもん。
これを悲劇と呼ばずしてなんと言おう…