電動ガンのハイサイクルって結局どうなのよっていう話


中身
写真はノーマルのG3SASです。

電動ガンのハイサイクルについて考えてみる

※前提※
この場合のハイサイクルの定義は、東京マルイから発売されているハイサイクルシリーズのことを指しています。
ノーマルの電動ガン(海外製含む)を改造してハイサイクル化してものは含みません。

マルイの電動ガンの1シリーズに「ハイサイクル電動ガン」なるものがあります。
おおよそ、秒間25発の弾丸を発射できるように調整された電動ガンですが、この秒間25発という発射速度がサバゲの中でどういう意味を持つか、実銃での発射速度なども絡めて考察していきたいというのが今回のブログの趣旨です。

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実銃の発射速度は?

実銃のアサルトライフルの発射速度は、M4だと700-900発/分、HK416だと650発/分となっています。
大体秒間10発程度です。
通常の地上戦で人が利用するライフル(分隊支援用機関銃含む)で量産化されているもので、単銃身(ガトリング銃は含まない)もので、最高速度の発射速度を持つものは、第二次世界大戦のMG42だと思われます。
MG42は、1200発/分を誇り、発射音がつながって聞こえることから、「ヒトラーの電動のこぎり」と呼ばれ、連合軍側の兵士から畏怖されていた銃でもあります。(資料によっては、1500発/分というのもある)
そんな銃ですら、秒に換算すると20発程度です。

しかし、MG42の開発過程には当時のドイツ軍が抱える特殊な事情があるため、ここまで連射速度が速くなったと言われております。
当時のドイツ軍は、対ソ戦の東部戦線でソ連軍に押され気味でした。
ソ連軍の基本戦法は、無尽蔵とも思える人的優位を利用した人海戦術です。

そのため、大量に押し寄せるソ連軍歩兵1人に対して照準できる時間がかなり限られており、短い時間で有効弾を何発も撃ち込む必要がありました。
1名狙っては次の目標に…とするのに、発射速度が速ければ、瞬時に大量の弾丸をたたき込めるというわけです。

そんなわけで、当時のドイツ軍の軽機関銃は発射速度を求めていたというわけです。
(小銃は相変わらず、ボルト装填のモーゼルでしたけれど…)

しかも、MG42は3脚に備え付けられた場合、2000M先の目標もある程度正確に狙えたようなので、大量に押し寄せるソ連軍歩兵に対し、ある程度の遠距離から発砲を開始、遠くても大量に弾丸が撃ち込めれば1発くらいは当たるだろ。そして、命中するしないにかかわらず、次々と目標を変えていけば、防御陣地正面を攻めてくる敵兵をある程度抑制できるだろう、と考えてのことだと思われます。

ただ、対ソ戦が終わり、人海戦術が朝鮮戦争以降それほど姿を見せなくなると、銃の発射速度については落ち着きを保ち、有名なM60では550発程度となっています。(MG42から発展したMG3は、1200発/分あります)

じゃぁ、電動ガンのハイサイクルって意味あるの?

この答えは一筋縄じゃ行かないかな…
というのも、マルイ電動ガンのハイサイクルは、ハイサイクル化されている代わりに初速が落ちており、明らかに射程が落ち着いた感じになっています。
そのため、MG42の用に、遠距離から押し寄せる敵に向かって、短時間で発砲を繰り返すという戦術には不向きです。
(ちなみに、ハイサイクル電動ガンは1500発/分と、MG42よりも弾幕張れますw)

強いて言えば、かなり接近戦になり、バリケードなり、何かの物陰に隠れている状態から、身を乗り出し短時間で敵の姿を確認し、短時間に大量の弾丸を撃ち込むといった用途には向いていそうです。

そこを考えれば、フィールドの構造によっては、ハイサイクルも意味がありそうです。
しかし、遠距離戦に若干弱いので、一気に間合いを詰めて、素早く照準、素早く射撃という使い方であればの話です…

ただ、ハイサイクルにすると弾丸の消費が早くなるので(燃費が悪くなるとも言う)、大量にフィールドにBB弾を持ち込まないと、あっという間に弾切れという状態に陥ることも…

室内戦であったり、バリケードの多い野外フィールドなど、接近戦が頻繁に起こりやすい環境であれば、かなりの強力な武器になると思われますが、比較的見晴らしのきく野外フィールドである場合においては、それなりに間合いを詰めるような動きができないと、一時的に劣勢に立たされる可能性があるので、フィールドによりけりっていう感じですかね。

個人的には嫌いじゃ無いですよ。
ハイサイクル独特の発射音